骨形成不全の治療


遺伝子治療の可能性


骨形成不全症は悪性腫瘍とは異なり、疾患そのものが生命予後を決めるわけではありません。また、全身の骨に異常があるので、現在、悪性腫瘍などで行われている遺伝子治療は現実的ではありません。
 ただし、正常な骨の細胞を補うことによって治療できる可能性はあります。実際、すでにアメリカでは重症の骨形成不全症の乳児5例に骨髄移植が行われてい ます。この5人のうち3人に、移植した正常な細胞が骨髄内に生着して骨折頻度の減少、身長増加などの効果があったということです。移植された骨髄の長期間 の生着の問題などがあり、未だ有効性を判断できませんが、高度に重症な場合には治療法の1つとして可能性はあると考えます。 
 

おわりに

 このように、現時点では、骨形成不全症に対するビスフォスフォネート製剤の投与は比較的安全で有効な治療といえます。しかし、成長期にある小児が 対象となっている以上、長期的な副作用などに対して慎重に対処していかねばなりません。また、この治療は原因に対する治療ではなく、いわば対症療法です。 このことを常に意識し、必要ならば外科的な治療も併用して、正常な発育に近づけることが重要なのです。
 

田中 弘之 / 岡山済生会総合病院小児科 診察部長
(清野 佳紀監修 : 改訂版骨の病気と付き合うには,メディカルレビュー社 : 201,2010) 

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