軟骨異栄養症の治療


① 低身長に対する成長ホルモン治療

軟骨異栄養症は成長ホルモン分泌不全か?


図1に本疾患患者における成長ホルモンの分泌刺激試験の結果を示します。この病気の最も重篤な合併症は水頭症で、この合併によって脳圧亢進、下垂体の圧 迫、下垂体機能低下症が生じているのではないかと考えて行ったものですが、図1をみて分かりますように成長ホルモンの分泌はほとんどの例で正常です。しか し、なかには成長ホルモンの分泌が少し不足している方もおられることに注意が必要です。
 なお、ほかの下垂体ホルモン(甲状腺刺激ホルモン、性腺刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、抗利尿ホルモン)の分泌には異常はありませんが、二次性徴 の出現は健常者よりも少し早く始まる印象があります。成長ホルモンには性成熟を促進する効果もあり、成長ホルモン製剤による治療中は性腺系の発達に注意す る必要があります。また、典型的な軟骨異栄養症では通常思春期になっても成長促進が起きず、これまでと同じようなスピードで身長が伸び、健常者よりも早く 成人の身長になってしまうようです。このため、場合によっては薬を使って二次性徴の発来を遅らせる治療を行うこともあります。 
 

田中 弘之 / 岡山済生会総合病院小児科 診察部長
(清野 佳紀監修 : 改訂版骨の病気と付き合うには,メディカルレビュー社 : 54-55,2010)

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