軟骨異栄養症の治療


④外科的治療:上肢・下肢

骨延長のしくみ


ここで、骨延長についてちょっと詳しく説明しましょう。骨が折れたときはギプスや創外固定器などで適切な固定をしていると仮骨という新しくて軟らか い骨が形成されていき、さらに仮骨が成熟して骨折は治癒します。この仮骨が成熟する前に少しずつ骨折部を引き離していくと、それによりできたギャップには さらに新しい仮骨を形成して、そのギャップを埋めていこうとします。この引き離し操作をゆっくり繰り返すことで新しい仮骨をつくりながら骨はどんどん長く なっていきます。創外固定器を使用して実際に骨を延長していくときには、その速度について注意が必要です。速く延長を行いすぎると、できていくギャップに 仮骨形成が追いつかないため長い骨は上手くつくられません。逆に延長速度が遅すぎると仮骨が早く成熟してギャップがくっついてしまい、予定した延長量を獲 得できなくなってしまいます。また、骨延長では骨だけでなく周りにある筋肉や神経、血管、皮膚なども同時に延ばされていきます。骨と違い、これらの組織の 延長には限界があります。関節が硬くなって変形してきたり、麻痺などの神経症状が生じてしまうこともあるため、骨を延ばす速度や量については十分な監視が 必要になってきます。
 骨延長ではイリザロフ法で使用されるリング型の創外固定器(図1)以外でも、単支柱型の創外固定器を使用することがあります(図2)。前者は主に下腿骨の延長や、変形のある骨の矯正を行うときに使用されます*。 後者は大腿骨の延長に使用されることが多いです。最近では、より煩わしさの少ない単支柱型の創外固定器の改良で複雑な変形を矯正しつつ骨延長が行えたり、 インターネットを通じて骨延長・変形矯正のプログラムを得ることにより、リング型の創外固定器で従来より容易に、かつ正確に延長操作を行うことができるよ うになりました。


*Ilizarov GA.: Clinical application of the tension-stress effect for limb lengthening. Clin Orthop Relat Res 250: 8-26, 1990
 


北野 元裕 / 国立病院機構大阪医療センター 整形外科
(清野 佳紀監修 : 改訂版骨の病気と付き合うには,メディカルレビュー社 : 68・69,2010)


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