骨形成不全の治療


薬物治療

治療法の実際*


 Glorieuxらの最初の報告は、3歳以上で1年に2回以上の病的骨折を繰り返す重症の骨形成不全症に対し、パミドロン酸二ナトリウムを体重 1kg あたり1mg、4時間以上かけて3日間連続点滴静注し、これを2年以上4か月周期で繰り返すというものでした。その後の報告もあわせて総合的にみると、投 与量はすべての年齢において、約9~12mg/kg/年です。つまり低年齢では1回点滴する量を少なくする代わりに、間隔を短く頻回に点滴するということ です。小さい子どもでは骨の活動が活発なので、頻回に投与するのは理にかなっています。
 先に説明しましたように、薬剤の余分はすべて腎臓から排泄されるので、急に投与すると腎機能を悪化させます。このため、0.1mg/mLとなるように薄めて時間をかけて点滴を行うのです。
 初めて投与するときには発熱(多くは38.5℃以上)、鼻汁などの風邪様症状、低カルシウム血症、白血球減少などの随伴症状があらわれます。しかし、こ れらの症状は投与開始後1週間以内に軽快します。低カルシウム血症は検査して初めて分かる程度のもので目立った症状は出ませんが、カルシウム、ビタミンD の摂取量は所要量を満たしておいた方が安全です。
 われわれの施設でも概ねこの通りに行っていますが、ビスフォスフォネート製剤によって骨折治癒が遅延する恐れもあるので、まず骨X線像にて骨折がないこ とを確認した後、入院で治療を行っています。血液検査で血液中のカルシウム濃度が低下してくる場合には、活性型ビタミンD製剤(1αビタミン D:0.025~0.05μg/kg)の内服を併用しています。入院期間は初回は副作用のことを考え1~2週間程度ですが、副作用が軽微となる2回目以降 では3~7日間です。
 また、1歳未満の乳児では、肋骨の骨折などで呼吸機能に余裕のない場合があり、発熱や風邪様症状が重なると、呼吸困難になることがあります。また、外国 からはショック状態になった例も報告されています。このため、乳児に投与するときには心電図などをモニターして急な事態に対応できるようにしています。

* 田中弘之, 田中敏章, 神崎 晋, 他: 骨形成不全症の診療ガイドライン. 日小児会誌 110: 1468-1471, 2006

田中 弘之 / 岡山済生会総合病院小児科 診察部長
(清野 佳紀監修 : 改訂版骨の病気と付き合うには,メディカルレビュー社 : 193-194,2010) 

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JP/NT/0317/0052