骨形成不全の治療


薬物治療

ビスフォスフォネート製剤って何?


治療の実際の説明をする前に、この薬の説明をします。ビスフォスフォネート製剤は、現在わが国では、点滴静注用のものと内服用のものが販売されてい て、前者は主に悪性腫瘍の骨転移などに伴って生じる高カルシウム血症の治療薬で、後者は高齢者の骨折の原因となる骨粗鬆症の治療薬です。薬は体のなかに入 るとすぐに骨の石灰分に沈着し、沈着しなかったものはすぐに腎臓から排泄されます。骨の石灰分に沈着したビスフォスフォネート製剤は次に骨を溶かす細胞で ある破骨細胞によって、骨から溶かし出されてこの破骨細胞にだけ取り込まれます。細胞のなかに取り込まれた第1世代のビスフォスフォネート製剤は、核酸に 取り込まれて細胞を死滅させます。一方、骨形成不全症の治療に使われる第2世代以降のビスフォスフォネート製剤は、細胞に取り込まれるとメバロン酸代謝経 路を阻害して、破骨細胞の働きと生存に必須の物質が供給できなくなり、やはり破骨細胞は機能停止、死滅ということになるのです。このように、骨にだけ沈着 する性質を持っているということ、骨を溶かすことによって初めて細胞に働くということから、この作用は破骨細胞だけにあらわれるのです。骨をつくる側の細 胞である骨芽細胞には薬の影響はあらわれないので、骨は同じようにつくられていきますから、結果としては骨の量は増え、骨粗鬆症の治療ができるというわけ です。また、悪性腫瘍の骨転移などでは破骨細胞の働きが活発ですから、これをビスフォスフォネート製剤で抑えることによって、高カルシウム血症を治療する ことができるのです。


田中 弘之 / 岡山済生会総合病院小児科 診察部長
(清野 佳紀監修 : 改訂版骨の病気と付き合うには,メディカルレビュー社 : 192,2010) 

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