骨形成不全の治療


外科的治療

(2)上肢・下肢

1.骨折に対する手術治療

 一般的に子どもの骨折は、大人の骨折に比べて仮骨(新しくできてくる骨)の形成が早く、また、 多少の転位(骨折部でのずれ)が生じていても整復(ずれを直してまっすぐにすること)がしやすいし、多少曲がったままくっついていても成長とともに自家矯 正といって自然にまっすぐになってくることもあります(図1)。したがって、通常の子どもの骨折は、多くの場合、ギプス固定などによる手術ではない保存的 治療によって治療を行います。
 ところが、骨形成不全症の骨折では、ギプスのみでの治療の結果はそれほど良いものではありません*。ギプスのなかで変形が悪化す ることや、軟らかい骨しかできないため骨折線がいつまでも消えずに、再骨折が生じやすいことなどが多くみられます。また、成長に伴う変形の自然矯正もほと んど期待できません。そのために本症での骨折の治療では確実に骨ができ、ずれないようにしっかり固定をし、さらにくっついた後も再骨折を起きにくくするた めに手術治療を行うことが多いです。
 


2.変形に対する手術治療

 骨折が治ったとしても、骨折部での変形が残ってしまうと同じ部位での骨折を繰り返すことにもな ります。乳児期にすでに高度の変形があれば、立ったり歩いたりすることも困難になります。このような場合には、骨折が生じなくても骨をまっすぐにするため に矯正手術を行います(図2)。


*   相原雅治,小杉祐一,廣島和夫 : 骨形成不全症の皮下骨折に対するギプス療法の適応と問題点.
近畿小児整形外科9 :29-32,1996

北野元裕/国立病院機構大阪医療センター整形外科
(清野 佳紀監修 : 改訂版骨の病気と付き合うには,メディカルレビュー社 :208-209,2010)

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JP/NT/0317/0052